こんにちは、松澤です。
このところ少々立て込んでいたため、更新が遅れました。
今回は、塀の自主検査と題しましたが、自分で簡単にできる塀の検査方法をいくつか紹介したいと思います。
というのも、本日は3月11日です。東日本大震災の発生からちょうど10年になりました。
九州では熊本地震、北海道でも胆振東部地震があったように、これまでがどうだったかは関係なく、どこに住んでいても地震は全く他人事ではないので、やれることはやっておくに越したことはありません。
特に外構工事の分野では、大阪でのブロック塀の倒壊事故が大きく報道された事で、正しく施工されていない僅かな例のために、ブロック塀というもの全体の存在自体が疑問視されてしまう様になり、当社でも塀の修理や補強の他にすべて撤去して全く別のものにするという依頼も年々増えています。
ですが、本来正しい材料で正しく施工された塀というものは、ちょっとやそっとでは壊れないものです。実際に、胆振東部クラスの地震でも、当社が施工した塀が倒壊したという報告はここまで一つもありません。
工事の例としても、駐車スペースを拡張するなどの理由で、自分たちで施工した塀を解体するケースが稀にあるのですが、自慢じゃないですが、自分で作ったものを解体するというのは、職人さん自信も嫌がるほど、ほんとに壊れにくくて手こずります。
本題ですが、正しく施工されているか確かめる方法として、本来は国土交通省が発行している、この画像のようなチェック項目があるのですが、何か問題があっても、判断や対処はいち個人では難しいです。特に鉄筋が正しく入っているかどうかは一定の範囲を破壊してみないと分かりません。
今回紹介するのはあくまで最低限のものですが、直すといっても当然お金が掛かる事なので、緊急性があるかどうかの目安として、これらが問題なければひとまず大丈夫と言って良い部分になります。
上記の資料でいう5、6のチェックです。
まずは見た目です。
ひび割れ、倒れ、歪み、部分的な破損等がないか確認します。
以前紹介したように、片面が大丈夫でももう一方が重症なケースもあるので、普段見えない部分も確認してみます。
見た目で気になる不具合がなければ、この時点でまず問題なしと思ってもらって良いです。
ひび割れも髪の毛のような細さの短いひび割れ(ヘアークラックと言います)なら、ブロックやコンクリートといった水とセメントを使う材料には遅かれ早かれ必ず出てくるものなので、それが広がってこない限りそこまで問題視しなくても大丈夫です。
もう一つは、大きな揺れなどで、よく見る資料映像のように塀が根こそぎ倒れる心配がないか確認する方法として、基礎が埋まってる深さ(根入れ深さ)の調査です。
これがかなり重要で、単純な話、深く埋まっていればそれだけで多少施工が雑でも簡単には倒れません。逆に、どれだけ本体を頑丈に作っても、正しい深さに埋まっていないと下の写真のようになってしまいます。
これを確かめるには、本来なら穴を掘って実際に見てみるのが一番ですが、穴掘りはかなりの重労働ですので、もっと手軽に確かめる方法があります。
まず、長さ1mほどの鉄筋や細い鉄パイプがあれば一番手ごろですが、自宅にある同様のものなら何でも良いです。
その棒を塀の内側20~30センチのところに打ち込んで行きます。
埋設に必要な深さは、北海道の場合はここまで埋めれば凍る心配がないという各地域で設定されている「凍結深度」も考慮するため、多少前後がありますが、苫小牧市の場合は、正しく施工された塀であれば、40~50センチくらい打ち込んだところでベースのコンクリートに当たるはずです。(たまたま大きな石に当たる場合もあるので、数か所で試してみるのが確実です。)
もしこれが20センチにも満たないところで当たってしまうとか、どこまで打ち込んでも、塀にもっと近い場所で打ち込んでも、何も当たらないという場合は問題がある可能性が高いです。特に前者の浅い場合で、道路に面した部分で倒れなどの不具合が既に出ている場合は、通行人など第三者に危害が及ぶ可能性もあるため、なるべく早急に対処した方が良いです。
この自主検査の結果問題があっても、今現在なんともなければ緊急に対処が必要とは限りませんが、もし何か不安を感じた場合は、一度当社にご相談ください。